3D・立体型タイプ~吸収体外付けの布ナプキンの作り方

布ナプキンの作り方
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吸収体が中に入っているタイプの一体型布ナプキン。

紙ナプキンと変わらない気楽さで使えるところがメリットですよね。

ただ、どこまでしっかり汚れが落とせているかが見えないことや、乾きにくいことがデメリットだと感じている人も多いと思います。

そこで、一体型のデメリットを薄めるいい方法はないかなと調べていたら、市販品で3Dタイプの布ナプキンがあることを知りました。


これは・・・?と思い、見よう見まねで試作してみたのが写真の中の①です。

本体と一緒に縫いこんでいるので、重なっている部分がとても分厚く、縫いにくく、家庭用ミシンではむつかしいと思いました。

せめて本体の縫い代と吸収体が重ならなければ、もう少し作りやすく乾きやすいのでは?と作ったのが、一体型の布ナプキンでは中に入れている吸収体をそのまま外に出して本体に縫いつけた②と③です。

どちらも、吸収体の上下のみを本体に縫い付けています。

②は27㎝新・一体型に、ネルを4枚重ねてジグザグミシンで縁をかがった吸収体を、縫いつけています。

③は36㎝夜用一体型で、ほつれてきやすい生地でも作れるよう、袋縫いにした吸収体をつけています。

上からワッフル、厚手パイル、ネル、厚手パイル、ネルの5枚。

吸収体以外は同じ作り方なので、今回は27㎝をベースに、吸収体のみ、36㎝バージョンも入れて、3D立体型布ナプキンの作り方をご紹介していきます。

②のネル生地は、パットやプレーンでも縁をかがって作っているので、そのまま端をジグザグ処理するのみにしました。

縫い代がない分、厚みが出ず、作りやすいです。

ただ、袋縫いにする③よりも、平面になるため、立体型というほどの立体感はありません。

ジグザグ処理の方が、袋縫いよりも吸収体は乾きやすくなりますが、より立体感が欲しい場合は、③の方法で作ることをおすすめします。

パイル(タオル)やワッフル、ガーゼなど、ほつれてくる生地を使う時は③の作り方の方がきれいにできます。

今回は夜用で漏れないようにと厚手パイル2枚を入れてしまいましたが、分厚くて少し苦戦したので、あまり厚手を縫うのが得意ではないパワーの弱いミシンをお使いの場合や、まだミシンにあまり慣れていない方などは、もう少し薄手の吸収体にした方がよいかと思います。

吸収体の枚数や生地はお好みでお選びください。36㎝夜用は本体の肌面もワッフルにしていますが、こちらも吸収体に使われる生地ならどれでも大丈夫です。

前置きが長くなってしまいましたが、3D立体型の布ナプキンの作り方へ進みます。
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3D・立体型布ナプキンの作り方

縫い糸と縫い針について

吸収体の素材にもよりますが、厚みが増すと普通生地用のミシン針では折れることもあります。
先日、ネル3枚+ミュッターさんの接結ニットで吸収体を作った3Dタイプを作りましたが、中厚地用のミシン針#14とミシン糸#30を使って快適に作れたので、吸収体が厚手になる場合は、針と糸も厚手用にするとより作りやすくなると思います。

とは言っても、今回の作り方では普通針と普通糸で作ったので、普通用でも大丈夫です。

作り始める前の準備

タグは必要?

本体に目印としてタグを付けておくと、同じサイズで柄違いなどでも見分けやすくなります。

詳しくは下の記事をご覧ください。

ナプキンのサイズと必要な生地の大きさ

基本的な道具

まだ、ハンドメイドは始めたばかりという方用に、布ナプキンを作る時に使う、基本的な裁縫道具をまとめています。

布ナプ作りに必要な基本の裁縫道具
布ナプキンを作るのに必要な基本の裁縫道具の紹介ページです。作るものによっては使わないものもありますが、当サイトの布ナプキンを作るのに必要な道具たちです。それぞれのナプキンを作るために必要な材料は、作り方ページに記載しています。

型紙

夜用専用の型紙ページには、30㎝・33㎝・36㎝・40㎝の本体や吸収体の型紙、必要な生地の大きさをまとめています。

夜用布ナプキンの型紙30㎝から40㎝まで4サイズと必要な生地の大きさ
30㎝・33㎝・36㎝・40㎝。4種類の夜用布ナプキン(羽が別Ver.と一体型Ver.)と一体型用の吸収体の型紙のページです。無料でダウンロードそれぞれに必要な生地の大きさも記載しているので、手持ちの生地で足りるかな?という時の参考に。

本体の型紙は一体型型紙ページの新27㎝羽が長いバージョンと夜用の36㎝を使っています。

一体型布ナプキンの型紙 無料ダウンロード
23㎝・25㎝・27㎝の一体型布ナプキンの型紙を無料でダウンロードしていただけるページです。夜用4サイズは別ページになります。ホルダータイプにも使っていただけるよう、テープ付け位置も記載しています。

吸収体は、吸収体型紙ページの新27㎝用と夜用の36㎝用を使っています。

一体型用の吸収体の型紙|無料ダウンロード
一体型用の吸収体の無料型紙ページです。サイズは23㎝・25㎝・27㎝・36㎝用の4種類をダウンロードしていただけます。新・27㎝と36㎝用は中付け、外付け、どちらにも使えます。
②を作った27㎝用の吸収体は、端をジグザグミシンで処理しているため、本体は縫い代あり、ぬいしろなしの2枚、吸収体は縫い代なしの型紙のみ使用します。

③の吸収体は中表に合わせた生地を縫って、表に返すため、本体、吸収体とも縫い代ありの型紙となしの型紙を使います。

材料

②の吸収体の端をジグザグ処理バージョンは、デコレクションズさんの生地、透湿防水布、ネルを使って作っていきます。

③の吸収体を袋縫いバージョンは、MYmamaさんの生地、透湿防水布、吸収体にはワッフル生地1枚、厚手パイル生地2枚、ネル2枚を使って作っていきます。

吸収体はお好みの素材や枚数でお試しください。
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裁断していきます

型紙を写して、本体には透湿防水布のザラザラした方に縫い線と返し口袋縫いにするタイプの吸収体には、ショーツ側生地(装着した時に一番下に来る予定の生地)に縫い線と返し口、ノッチの印をつけて裁断していきます

ノッチとは、あとで生地を合わせるときの目印で、裏表どちらからでもわかるように2~3㎜ほどハサミで切り込みを入れておきます。
羽の真ん中あたりの線がノッチです。型紙から線を写して切り込みを入れてもいいですし

裁断の後に型紙を重ねて、ノッチの場所をハサミで切ってもいいです。

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タグをつける場合

タグをつける場合は、ここで下着側の生地にタグをつけておきます。

詳しい付け方は、布ナプキンにタグをつける方法をご覧ください。

吸収体を作っていきます

袋縫いバージョンの方は次へお進みください

ジグザグ処理バージョン

ノッチを合わせてまち針かクリップで止め、裏もずれていないか確認した後、ジグザグミシンで縫っていきます。

ジグザグミシンの始めと終わりは直線縫いで返し縫いをしておきます。

ロックミシンがあればロックミシン、ミシンに『裁ち目かがり』があれば、裁ち目かがりを使った方が、より丈夫にできるかと思います。

枚数が多いほどズレやすくなるので、縫い終わった後も裏を見て縫えていない部分がないか確認します。

もし縫えていないところがあれば、そこだけまたジグザグミシンで重ね縫いします。
気になる方はほどいてやり直してもOKです。

次は本体に吸収体を付けていきます。こちらより袋縫いバージョンを飛ばしてお進みください。

袋縫いバージョン

生地を重ねます

 2021年4月8日、生地を重ねる順番の書き方を変更しました。
以前は上から順番に書いていたのですが、下から置いていく方がやりやすいため、下からの順番に変えました。
以前、作っていただいた方がもう一度作ろうとした時に、あれ??と思うかもしれないので、追記しておきます。
吸収体を重ねる順番~一番下から
  1. 肌側とショーツ側の生地を除いた残りの生地を、表が上になるように重ねて置きます。
  2. その上に、肌面の生地の表が上になるように置きます。
  3. 一番上に、ショーツ側の生地を表が下になるように重ねます。

表裏がない生地は重ねる順番のみを見て、重ねてください。

36m用吸収体が並んでいる。左から4枚は表が上、残り1枚は表が下

返し口を残して縫います。

ノッチを合わせてピンでとめ、裏側もきちんと止まっているか確認した後、返し口を残して縫います。

36㎝用吸収体を返し口を残して縫ったところ

縫い終わったら、もう一度裏を見て縫い落している場所がないか確認します。

縫い代が少しずれている

↑右下の方がずれています(汗)が、これくらいならこのまま進んでも大丈夫です。

縫えていないところがあれば、ほどいてやり直すか、少し形は小さくなったり変わってしまいますが、縫い代が5㎜ほどになるようにその部分だけ縫えば大丈夫です。

縫い代の上下部分をカットします

本体に縫いつけるときに少しでも縫いやすくするために、吸収体の上下の端から4㎝部分(点線の部分)までの縫い代を5㎜ほどカットしておきます。

上下4㎝部分に印をつけた吸収体

記事を上げた後に新しく作っている時に改良点を思いついたので、写真が違っていますがすみません(汗)

表に返してステッチをします

カーブに切り込みを入れ
縫い代のカーブに切り込みを入れる
肌側とショーツ側生地の間(今回はワッフルとネル)から表に返します
返し口の中の1番上と2番目の間が開いている
端から2~3㎜のところを一周縫うのですが分厚すぎて押さえに入りにくい場合、ミシンによって違うのかもしれませんが、打ちのミシンの場合は押さえを上げ下げするレバーを上に上げるとさらに持ち上がったので、入りにくい方は一度試してみてください。
ミシンの裏側にあるレバー
ミシンのパワーが弱い場合などで、ステッチをするのが大変!という状況が予想される場合は、返し口を手縫いでまつって、次の工程に写っていただいても大丈夫です。
吸収体の完成です。
吸収体を表に返して周りをステッチしたところ

本体に吸収体を取り付けていきます。

本体の肌面生地の表側、中央に吸収体を重ねて置き、まち針で止めます。

吸収体は縫い代付きの本体の端(羽部分などは除く)から約2㎝小さくなるように作っているので、上下とそれに近い横部分(↔のあたり)で2㎝になるところに置けば、だいたい真ん中に来ると思います。

その後、縫い代なしの吸収体の型紙を重ね、吸収体の上下の線に合わせて本体の赤線部分に印をつけます。

型紙を外し、上下とも赤線から赤線までのカーブを縫いつけます。

縫う位置は端から5㎜~7㎜ほどの場所にすると、縫い代にかからないので厚みが少なく縫いやすくなります。

ゴシゴシ洗ってもほつれてこないように2~3回重ねて縫うと安心です

下の見本写真は36cm になってしまいましたが、上下の赤い糸で縫っているところです。

本体に吸収体を縫いつけたところ。上下の赤い糸の部分を縫っている

本体を重ねて縫っていきます

この部分は使っている透湿防水布によって変わってくるので、透湿防水布のページの目次からお使いの透湿防水布のコーナーでご確認ください。
それぞれの順番で重ねてクリップで止めたら、返し口を残して縫い、カーブに切り込みを入れていきます。
本体を中表に合わせて返し口を残し縫い合わせた。カーブに切り込みが入っている。
ショーツ側の生地と肌側の生地の間から表に返し
返し口の中一番下と真ん中の間が開いている
目打ちで形を整えた後、端から2~3㎜のところをグルっと一周縫います
表に返して周りをステッチ

ボタンを付けます

付ける位置は吸収体の分厚さでボタンの止まる位置が変わってくるため、ナプキンを畳んでみて、重なる部分に付けてください。

27㎝は端から1㎝ほどのところに穴を開け、プラスナップを付けました。

型紙を重ねて端から1㎝のところに目打ちが刺さっている

お使いのボタンによって付け方が変わってくるため、スナップボタンのコーナーでご確認ください

手作り布ナプキンのスナップボタン。種類と付け方
手作り布ナプキンで使うスナップボタンの種類と付け方のページです。手で縫い付けるタイプから工具不要のワンタッチプラスナップ、打ち具を使ったプラスナップの紹介や付け方。

完成です

お疲れさまでした!

布ナプキンが畳まれている

布ナプキンの販売や型紙の著作権について

お問い合わせが増えてきたので、以下の記事にまとめました。

この場合はどうなんだろう?と、気になる方は、ご覧ください。

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