布ナプキンの代表的な素材は?と聞かれれば、ネル!ともいえるくらい、よく使われているのがネル生地。
市販の一体型やプレーンで使われているのはもちろんのこと、布ナプキンのお店では、手作り用にオーガニックのネル生地が販売されていることも多いですよね。
私自身、初めての布ナプキンは漂白されたネル生地で作り、その後オーガニック生地にランクアップしました。
しかし、「いいネル生地にランクアップしたのに、モレるようになった。」んです。
このネルがダメだったのかと、他のオーガニックや無漂白系も試してみたのですが、あまり結果は変わらず。
ネットで調べたり工夫を繰り返し、ネル生地の違いや、漏れやすい時の対策もわかってきました。
今回はそんなネル生地について詳しくみていきます。
この記事で分かること
- ネル生地の特徴
- 吸い込みの良くないオーガニック系のネル生地を心地よく使う方法
- 漂白されたネル生地について
ネル生地とは
目が詰まっているので、水分がゆっくり通る
毛糸で織ったフランネルというのもあるそうですが、布ナプキンで使われているのは綿100%のコットンフランネルという生地になります。
ネル生地の特徴は目が詰まっているということです。
例えば目の粗い生地のダブルガーゼは、目で見ても糸と糸の間にすき間があるのが見えますよね。
イメージにすると、下のイラストのようになります。
図のように、ガーゼは糸と糸の間が開いていて、水分が通りやすくなっています。
反対に、ネル生地は水色の背景がほとんど見えません。
このことから、例えば、ガーゼとネル生地に同じ量の水分を通しても、ガーゼの方が早く吸い込むことがわかります。
ネル生地が布ナプキンに使われる理由
目の詰まったネル生地は、もともと吸水性はよくないのですが、表面を起毛することで水分を吸いやすくなっています。
この、はじめに起毛部分で経血をからめ取り、ゆっくりと吸収していくところが、布ナプキンによく使われている理由になります。
ネル生地の起毛とは、生地の表面を毛羽立たせる加工で、片面起毛と毛両面起毛があります。
手作りする場合、片面起毛の生地は起毛している方を表にして使います。
伸びにくいので、初心者の方でも縫いやすい。
裁縫にあまり慣れていない間は、ガーゼやニットなどの柔らかい生地は縫いにくいと感じる方が多いですが、ネル生地は伸びにくいため、初心者の方でも縫いやすくなります。
そのため、手作り布ナプキンを初めて作る方にはおすすめの素材になります。
型崩れしにくい
ガーゼだけで作ったライナーなどは、クタクタっとなってきますが、ネル生地が入るると、型崩れしにくくなります。
オーガニックや無漂白のネル生地の特徴
質のいい生地ほど、プレーンにするとヨレやすいのが少し難点
オーガニック系の肌に優しいネル生地は、柔らかくて気持ちがいいのですが、プレーンタイプにすると、真ん中に寄ってきて、早くにホルダーが汚れてしまうことも多いです。
しばらく使っている間に、生地は固くなってくるのでいくらかは軽減されてきますが、中にパッドを入れると、ヨレにくくなります。
また、手作りする場合は、あて布を2枚にするとしっかりしたプレーンになります。
生地に油分が残っているため吸い込みが悪い
私が10種類のネル生地を試して感じたことは、オーガニックや無漂白系の生地の方が、吸い込みが悪いものが多いということです。
特に、プレータイプにすると、表面は横漏れするくらいなのに内側はきれい。ということが頻発しました。
その理由は、綿そのものが持っている油分です。
食器に例えると、油汚れは水をはじいて汚れが落ちにくいですよね。
同じように、余計な加工をしていない質のいいネル生地は、綿本来の油分が残っているため、経血をはじいてしまいます。
そのため、漂白しているネル生地や、オーガニックでも草木染をしているネル生地は油分が落ちているため、吸い込みがよくなります。
「いい生地にしたはずなのに、なんで・・・?」と、いうことが起こるのは、こういう理由があったんですね。
それでは、上質なネル生地のいいところを伸ばすにはどうすればよいのでしょう?
布ナプキン|形ごとの対策の必要度
漏れるのは困るけど、対策って全部に必要?
まずは、布ナプキンの形ごとに対策が必要かを見て見ましょう。
プレーンタイプは油落としをしたほうがよい
プレーンタイプの布ナプキンは、三つ折りにして使うことが多いです。
三つ折りの間に空間ができるためか、次の層へ経血が届くよりも早く横へ流れてしまうことが多くなるので、油分を落とす対策はしておいた方がいいです。
一体型は意外と大丈夫
経血量によってはモレてしまうことがあるのかもしれませんが、私自身はオーガニック系の生地で作った一体型でモレが気になったことはありません。
表面をネル生地にしていても、中に入ってしまえば逆流してくることはないので、ゆっくり吸い込んでくれる、といういい面が、存分に生かされる形だと思います。
ただ、夜用に関しては、生地というよりも体とのすき間が空きやすいので、漏れやすくはなります。
オーガニック生地の吸い込みをよくする方法
煮洗いしてみる
食器の油汚れが、水よりお湯の方がきれいになるように、ネル生地も煮洗いすることで油分が落ち、吸い込みがうんとよくなります。
透湿防水布は高温に弱く、煮洗いができない為、他の方法をお試しください。
布ナプキンを作る前の生地
プレーンタイプ
一体型やホルダータイプなど、プラスナップや透湿防水布が使われているもの。
洗濯を繰り返す
煮洗いするには、専用の鍋が必要になることもあり、ハードルが高いですよね。
また、先ほども書いたように、煮洗いができない形もあります。
そんな場合は洗濯を繰り返すと、徐々にですが吸い込みはよくなります。
洗って使って・・・と吸い込みがよくなるまでに繰り返すと、数サイクルは漏れやすい状態になってしまうことが、ちょっと困ったところです。
布ナプキン全般
長く水に付けて置く
手作り布ナプキンを作る前に、セスキ液で水通しすると、油が早く落ちるという情報を見て、試したこともあります。
ただ、あまり効果は感じませんでした。
それでは・・・と、他のオーガニック生地を水を交換しながら2~3日、水に浸けてみました。
すると、オーガニック系の中では吸い込みがいいように感じました。
どちらの方法も、他のネル生地だと違った結果になったのかもしれませんが、情報として載せておきますね。
布ナプキン全般
他の素材と組み合わせる
手作り布ナプキンのみに使える方法ですが、吸い込みのいい生地を表面に持ってくることで、表はサッと、中はゆっくり吸収してくれる布ナプキンが作れます。
煮洗いはできないし、洗濯を繰り返す間のモレも気になる場合におすすめです。
4重プレーン
ハンカチタイプ
3D・立体型
リネン
ワッフル
さらしやダブルガーゼなどの薄すぎる生地
ねこ足ニットなどの穴の開いている生地
漂白されているネル生地の特徴
オーガニック系よりも吸い込みがいい
一度の水通しで、十分な吸収力を得られるのが、漂白されているネル生地です。
ただ、その分経血が通るのはオーガニック系よりもやや早いと感じます。
一体型で貫通漏れをしたときは、肌面と吸収体を漂白された生地で作ったものを使っていたときでした。
生地が固い
オーガニック系に比べると、生地が固めに感じる物もあります。
肌触りが良くないとも取れますが、プレーンにしたとき、優しい生地よりはヨレにくいともいえます。
まとめ
布ナプキンに向いているネル生地。
漂白や無漂白、オーガニックなどいろいろありました。
特にオーガニック系の布ナプキンは、他のものに比べて高価です。
「せっかくだからいいものを使ってみよう」
そう思って買ったものの、私のように「イメージと違った・・・」
という方も中にはいらっしゃるかと思い、今回の記事を書きました。
オーガニック布ナプキンをいい状態で使えるヒントが見つかれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!